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キッカーの不定期更新日記 (四季来々トップへはカレンダー下のリンクから戻れます)
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このごろ本を選ぶとき、タイトルに聞き覚えのあるものとか、昔読んでおもしろかった本と同じ作者のとか、そういう無難な選択をすることが多くなった気がします。
図書館じゃなくてお金出して買ってるので、つまらないのを引かないために当然っちゃ当然ですけど。
今回は比較的メジャーどころ。小説レビュー。
 
海の底
(有川浩、角川文庫、平成二十一年四月二十五日初版・平成二十二年六月三十日四版、705円+税、文庫)
 
4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧騒は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている」!自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく――ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント!!
(上記ページおよび現物裏表紙より抜粋)
 
作者の有川浩は『図書館戦争』シリーズが有名。
私はそちらは読んでいませんが、高校時代に同作者の『空の中』を読んで、それがおもしろかった記憶があります。
その記憶を頼りに、今回この『海の底』を購入。
作者の初期作品群である「自衛隊三部作」の三作目ということです。
 
この作品、物語は主にふたつの視点から進みます。
怪物の襲来により潜水艦に取り残された自衛官と子供たちの物語、そして地上で怪物と戦う、警察や自衛隊の物語。
 
巨大生物襲来という災害規模に対し、物語の展開軸はかなり小規模になります。
しかしこの作品……キャラがみんな魅力的過ぎる!!
潜水艦組の若い自衛官や、ひとクセもふたクセもある子供たち、地上組のシブい頭脳派おっさんと、タイプの違う素敵キャラがもうわんさかわんさかです。
 
ストーリー展開も、軽快さと硬派さが絶妙の配分でブレンドされ、グイグイと引き込んでくれます。
組織としての警察や自衛隊のジレンマ、それぞれの現場で苦悩する大人たち、その展開は突飛な設定にもかかわらずリアルで、なんともいえない重厚感を伴います。
その中を貫く、さわやかな青春と男たちの生き様。
最高です。
 
前回のレビューで最高評価を出したばかりですが、この作品もキッカーイチオシ。
今日はここまで、あでゅ~。

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小説の執筆ペースが鈍化しすぎてヤヴァイ。
単に忙しいのもあるんですけど、創作活動より楽しいことが増えすぎたってのがでかいです。
病院実習や研究活動が楽しいし、仕事が終わっても、早く帰るより友達とのんびりだべってるのがとかく心地いい。
……健全な方向ではあるんだけど、このまま「キッカー」が消滅しちゃうような事態はどうかなーとも思いますし、ううむ。

そして今日は小説レビューをば。
心地のいい青春小説でした。

武士道シックスティーン
(誉田哲也、文藝春秋、2010年2月10日第1刷・2011年2月25日第7刷、629円+税、文庫)
文藝春秋のリンク

武蔵を心の師とする剣道エリートの香織は、中学最後の大会で、無名選手の早苗に負けてしまう。敗北の悔しさを片時も忘れられない香織と、勝利にこだわらず「お気楽不動心」の早苗。相反する2人が、同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが……。青春を剣道にかける女子2人の傑作エンターテインメント。 解説・金原瑞人
(上記リンクの内容紹介より抜粋)

主人公2人のキャラがとかく対照的かつ強烈です。
かたや剣道一筋で、常に斬るか斬られるかを考えて日常生活を送る、時代錯誤もいいところな剣道エリートの香織。
かたや剣道暦も浅く、勝ち負けなんて気にせずにとにかくお気楽お気楽なこれまた現実いるもんかって天然ちゃんの早苗。
彼女らの出会いから生まれる、嵐のような高校生活が脳髄電気ショックです。

この小説、文体は一人称で読みやすい簡潔なものなんですが、そのストーリーの組み上げ方はハンパないです。
キャラ同士がぶつかり合ってなかなかお互い思惑通りにいかないという展開って、きちんと内容を練っとかないとなかなか書けないんですよね。
こじれにこじれる物語と、それをきゅっと収束させるその構成能力は見習いたいところ。
でも一番の見所は、やっぱりその青春具合ですがね! 全力&さわやかがハンパねえ!!

BAMBOO BLADEが好きな人なら、きっとおもしろく読めるはず。
ページ数は多めですが、読みやすさと勢いに飲み込まれて一気に読み進めてしまいます。
キッカー的に、最高評価です。

今日はここまで、あでゅ~。

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ちまちまちまちまと読み進めていましたが、ようやく読み終えたのでレビューします。
全700ページの歴史小説、堪能しました。

草莽枯れ行く
(北方謙三、集英社、2002年5月25日第1刷・2009年2月15日第5刷、952円+税、文庫)
amazonのリンク

幕末。天下を憂う相楽総三は、志を持って仲間を募り、清水次郎長や土方歳三とも友誼を結ぶ。薩長に同心し倒幕のため働くが、待っていたのは偽官軍の汚名…。裂帛の歴史長編小説!(解説・井家上隆幸)
(amazonの商品紹介より引用)

とにかくかっこいい。
熱いこころざしを持つ主人公・相楽総三や、ばくちで丁目にしか張らないやくざ・清水の次郎長、さらに新撰組の土方歳三やその他登場人物が、もうみんなして男のかっこよさに満ち溢れています。
物語は比較的淡々と進みますが、それゆえに人物の姿がにじみ出てくる筆致はお見事。
剣劇もかっこよく、緊迫感のある斬り合いが楽しめました。

難点があるとすれば、700ページという超長編であることですが。
値段とページ数を照らし合わせれば薄めの本よりコスパがいいので、たとえば時間の余ったときにちょこちょこ読み進める形でいけばいいんじゃないかと思います。
歴史小説であるゆえ、話のあらすじは日本史をひも解けば復習できますし。
でも逆に「日本史はちょっと……」という人にはキツイかな?
私は義務教育レベルの日本史知識とマンガ・ゲーム知識で、充分いけましたが。

すでに次の本として「武士道シックスティーン」を買っているので、これからはそれをじっくり読み進めていきます。
今日はここまで、あでゅ~。

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