それからルナは、氷を抱いて歌を歌った。
無音の歌に合わせて、シュガーは軽快な踊りを踊ってみせた。
ルナは氷を抱きながら笑った。
それからシュガーを抱いて、また笑った。
あっという間に夜になって、窓からは立ち待ちの月が見えた。
ルナはシュガーを抱いて横になった。
月明かりは二人を、ひかえめに照らした。
ルナは一度シュガーを強く抱きしめると、その頭にほおをすり寄せた。
それからほどなくして、ルナからすうすうと寝息が聞こえた。
シュガーはルナの腕の中で、ルナの手と自分自身をきつく抱きしめた。
溶けた氷が、木箱の間に染み込んでいった。
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